竹内日祥上人よりご教授頂いた、経営者として持つべき思想を考え抜くにあたり、しっておかなければならない思想の体系と思想と能力の位置関係について、心ある経営者に見て頂きたいと思います。
表面的な理解は誤解を生み、反論したい人も出てくるでしょうが、まあご一読して自らの経営者としての思想について考える機会としてみてください。
究極のところ、能力に頼った経営(経営者)は能力やテクニックに溺れて失敗すると言うことを竹内日祥上人は断言していらっしゃいます。ここでいう思想とは、宗教や政治思想ではなく、あくまでも経営者としての経営思想を指すと考えてください。
■思想は本質を優先し、能力は表面を優先する
・思想の向上
〜修得する対象に対峙した際に、、、、
対象に隠されている考え方の基盤を考える〜本音本質主義〜相手本位、内容本位、先行本位、逆境本位
・能力の向上
〜修得する対象に対峙した際に、、、、
自己の価値観を基盤にして考える 〜建前偽善主義〜自分本位、表面本位、現在本位、順境本位
*ここで、経営やマネジメントについて、思想的に考える必要があります。某○○えもんのように、自らの能力とテクニックに溺れた失敗を見いだすことが出来ます。また、テクノクラート的な技術や能力を否定するモノではありません。
■思想は目的を語り、能力は目標を語る
・思想〜理念〜戦略〜目的〜ビジョン
・能力〜実践〜戦術〜目標〜計画
*思想は企業理念を作り、能力は数字の計画を作ることがわかりますが、あくまでも上位に思想があることは間違いありません。これを間違えるので、拝金主義や利益のみを追う経営(今回の経済破綻を見てよくわかるでしょう!)が生まれ、世の中をおかしくし、当たり前に偽装問題なんかが発生します。正しい企業の思想を持って企業理念を確立しそれを実践していけばこざかしいテクニックによる偽装問題など出てくる余地もないはずであります。
■思想は智恵に基づく、能力は知識に基づく
・思想〜戦略〜判断〜価値〜智恵〜統合〜自己批判〜責任完遂
・能力〜才覚〜情報〜素材〜知識〜分析〜他人批判〜責任回避
*よって、才覚や能力からは真の価値は生まれず、能力という手段を使って価値を生む素材を通じて価値が生まれます。才覚により収束された「情報や素材や知識」は能力により分析されますが、収束された「情報や素材や知識」は思想に基づく戦略により統合され留事で、「情報は判断され」「素材は価値を見いだされ」「知識は智恵と姿を変え」ることで、新しい価値(もしくは価値観)は生み出されます。能力のある方向での追求は言い逃れのテクニックの追求、法の網をくぐるテクニックの追求、人を出し抜くテクニックの追求に繋がります。やはり思想がそれをコントロールし、正々堂々とやらねばなりません。
■参考(あまり直接的に関係ありませんが、現在の混沌とした時代を予測していて素晴らしいですね。)
・近代は人間を育てず能力者を育てる教育/社会学者ダニエルベル
・近代思想(近代科学を生んだ近代合理主義や民主主義を生んだ近代啓蒙主義)を受け入れる恩恵が大きすぎて将来必ず人類は大きなリスクを負うことになる/ゲーテ
・能力に命を張ってきたのが失敗。テクニック上手な人を育てるのが近代思想の役割だった。(無思想なテクニック上手な人は)裏表のある人ばかりで本音を言う人はいない。/アインシュタイン
*昨今の企業倫理の低下、学校教育問題、社会の荒廃を考えれば語るまでもありませんね。ずるがしこい能力を持った人は昔から今したが、昨今そんな人の登場がやたらと多いと思うのは私たちだけでしょうか。