スーパードライ以降ブレイクしたアサヒビール。その前はキリンという巨人の脇役であったアサヒビールがビールの勢力図をすっかり変えてしまったことはどなたでもご存じのことであります。
よく見てみると、CMや新聞広告のマス媒体での発信を中心にスーパードライを中心としたラインナップで常に言い続けているメッセージがあります。
お客様のためということであります。全てはお客様の「うまい」のため)、感謝、ありがとうその他一貫してスーパードライの発売以来言い続けています。広告代理店さん特有の情報発信技術による部分はもちろん大きいと思いますが、フロー情報(広告、宣伝、プロモーション)の発信ではなく、企業の思想としてお客様への感謝を愚直に言い続けようという思想的な背景も見えてきます。思想的な背景をきっちり作ることで同じ事を(少しずつ表現を変えながら)繰り返し繰り返し企業姿勢として言い続ける、というCI的ブランディング的な思想を感じます。悪く言えばそう思えるようなしつらえを技術的にしているのかもしれません。…が、ここには先般ブログで書いたような、非常にプアな思想と理念を背景とした、起こしてはいけない企業行動の露見及びその後の低い思想をあらわにした情報発信…不二家、パロマ、シンドラーエレベータ等(何度も名前を出して恐縮ではあるけれども)に共通した自分の都合だけで仕事をして金を儲ければよいと言う思想と正反対であると評価せざるを得ないと思います。個人的にはどんな企業にも結びつく曖昧模糊とした顧客満足を当てはめているだけのようにも思えるのでなんとも言いにくい部分もあるものの、一貫して同じ事を言い続けてそういった思想を企業の文化とし、それを発信し続けることで社会的な認知と評価を得ると言うこと自体は素晴らしいと考えます。
私はある異業種交流会で理事をやらせて頂いて、私の専門分野に関する部会をやるように主宰者から依頼を受けおこなっています。
その際に、広告宣伝部会というようにご提案を頂いたのですが、私が部会長をする限りに置いては、広告宣伝という定義をしてしまうことで、当座のフローの情報発信ということで、イコール当座の商品やサービスを売るためにどう発信するかという、非常に近視眼的な技術的な部分をテーマとする部会となってしまい、「企業の思想を形にしてイメージ化して発信していく」という企業の根幹と情報発信と言うことを結びつけていくというテーマとは立ち位置が変わってしまうので、わかりにくいという批評を頂きながらもブランディング&プロモーション部会とさせて頂いています。参加する経営者の皆さんは、わかりにくければ勉強すべきだというのが私のスタンスです。創業の背景とする技術や能力は別として、経営者たるもの思想を磨き少しでも高い境地に持っていくことをし続けなければ長きにわたり社会に貢献していくことは不可能なはずです(まあ、しかし私は別の意味で能力や技術をもっと磨かねばなりません…)。このあたりはご参加頂く皆様にはご認識頂きたく、いくら中小企業とはいえ何かをパンフにして格好良くデザインして売り出せばよいような安直な小手先技術のことではなく、会社として経営者としてどのような思想(理念)で社会との関係性をどのように持つべきかということについて部会では勉強していかねばならないと考えます。なので、パンフレット1つ作るにしても、デザインをする前に勝負は決まってしまいます。無思想に、金儲けの技術と能力を磨き、自分だけ儲かれば、、という思想であればホリエモンや村上ファンドに弟子入りすればよいわけです。もっとも彼らの能力はいろんな意味で恐ろしく高いでしょうが…。
いかしあい隊ブランディング&プロモーション部会は明日(1月30日)開催です。
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