本日、世界バンタム級世界チャンピオン長谷川穂積の世界戦が本日行われる。
バンタム級と言えば、日本のボクシング界の歴史でも名王者を伝説の王者を生み出してきた階級。
また、世界的にも、カルロスサラテ、ルペピントール、ジェフチャンドラー、ウイラポンと言った名選手を排出している。
日本では、ファイティング原田、辰吉丈一郎、薬師寺保栄、六車卓也が世界チャンピオンとなった。
原田の二階級制覇は日本中を熱狂させ、辰吉対薬師寺の死闘は私に目に焼き付いている。
辰吉同様にウイラポンに勝てなかった西岡は1階級上げてスーパーバンタム級でようやく天才が世界タイトルを獲得したのは記憶に新しい。このウイラポンから二回勝ったのが長谷川(一度はKO)。
そして長谷川はあまり報道で熱が上がらないけれども黄金のバンタムで8連続防衛中という凄い記録。しかも、8度のうち4度がランク一位の選手との防衛戦。KO防衛は5度。
是非長谷川にはラスベガスにてビッグマッチをやってもらい世界的なスターになって欲しい。。。
しかし、私にとってわすれられないのが村田英次郎。
日本タイトル、東洋太平洋タイトルにおいては試合をやる人がいないくらいの完全無敵。
右ストレートは日本歴代でもナンバーワンでしょう。
黄金のバンタムと言われた、カルロスサラテ(戦績70戦63勝63KO>>勝利は全部KO)を下したルペピントールとの死闘の末の引き分けは、当時高校生の私の心を大きく動かした。レナード対ハーンズの死闘に勝るとも劣らない興奮であった。
村田は、その後ジェフチャンドラーを右ストレート一発で吹っ飛ばしながら引き分け。その後はチャンドラーにKOで連敗し引退したのだが、当時悲劇のヒーローだった村田には浪漫があった。辰吉も辰吉なりの男の浪漫で現役を続けているが、彼の浪漫は美しかった。当時、階級間にジュニアの階級が新設され、バンタム級の村田にとっては、ジュニアバンタム級、ジュニアフェザー級も十分に視野に入れることが出来たのだが、彼は黄金のバンタムにこだわった。当時の絶対王者であるメチャクチャ強いピントールや全盛時のチャンドラーに臨む姿は悲壮感漂いながらも純粋にまっすぐな気持ちが見ているものの心を打った。ジュニアであれば、後にジュニアバンタム級の歴史に残る王者となった渡辺二郎以上のチャンピオンになれたに違いない。しかし、黄金のバンタムで勝ちきれなかったのはやはり愚直なまでのオーソドックススタイルと遊びが少ない愚直な姿勢。日本人受けするけれどもラテン系からすると自由度をもって駆け引きをしながら動くようなことが出来たらバンタムの大チャンピオンになったのではないか、、。
ボクシングスタイル同様、オーソドックスで愚直な姿勢は今でも目に焼き付いて離れないし、今まで見た世界タイトルマッチ全ての中で一番心を熱くしたのが、ピントール戦とチャンドラーとの第一線。
63勝63.KOのサラテを下した恐怖の王者ピントールであったが、彼は村田の右ストレートを警戒し(要はビビリ)、なかなか攻め手が見いだせずも、さすが歴戦の強者メキシカンは的確なパンチを当てていく。村田はカウンターやワンツーで村田らしい綺麗な右ストレートで対抗。中盤以降もつれ合った場面もありつつも強打者同士の手に汗を握る試合。決め手を両者とも欠いて引き分け。チャンドラー戦は、リング中央でねらい澄ました村田の右ストレートでチャンドラーが文字通り吹っ飛んだ。しかし、吹っ飛びすぎてロープにぶつかりダウンせず!!結局はここでのダウンポイントが取れなかったのが響いて引き分け。駆け引きの天才チャンドラーとの二戦目以降は、まっすぐなボクシングを見切られてKOされ、正直痛々しかった。
長谷川はそんなバンタム級で強者ウイラポンを破って8度防衛の凄いチャンピオン。村田の分も含めてどんどん勝って欲しいものである。