カサライロから白山駅へ向かう、本念寺さんへの道の左側の家と道路の境目に小さな隙間がありました。そこから赤く丸い実がなる小さな木が生えていました。高さは三十センチ強。その赤い実は後で聞いたところでは唐辛子の仲間の小木で、盆栽的に栽培されている種類のようです。
夏前後に白い小さな花が咲き、その後緑の(グリーンチリのような色)丸い実がなり、その実が黄色くなりオレンジになり赤くなる。そして最後には茶色く枯れる。
ど根性大根がテレビで話題になったけれども、まさにそんな感じ。
私は道路のアスファルトに実が落ちていくのが何とももったいなく思い、それを街路樹の根もとのツツジが生えていないところに撒くことにしました。
毎日毎日赤くなった実だけを摘んで土に撒く。
これを繰り返していたら、翌年数本の木が街路樹脇に生えました。
そこで翌年はオリジナルの木だけではなく、街路樹の所に生えている木の赤い実も毎日毎日、ズボンのポケットが右も左も一杯になるくらい実が「収穫」でき、それを更に不幸にも心ない人が自転車を置いたりゴミを置いたりしてツツジが枯れたり折れたりして土がむき出しになっているところに置いたり埋めたりしました。やりきれない時には週末にまとめて、丁度白山通りのローソンから焼き肉幸楽苑本店の前までひたすら種を撒きました。いつのまにか、これを撒くことが楽しみであり、また大げさですが使命のように感じてどんどん撒きました。
全部が全部木に育つわけではなく、多分スズメやヒヨドリが拾って食べてしまう方が多いんじゃないかと思います。でも確実に増え、確実に土の部分が緑に変わりました。また、小鳥が食べるとどこかで分をした時に、それが土の上だったらまたそこに生えてくるかもしれない…それもどこかで。
去年の秋の週末、私がジムに行く前に収穫作業をしていたら、白山通りの表通りのマンションに住むおじいさん2人が私の所にやってきて、何をやっているのかと尋ねました。実はこれこれこういうわけで、この実をひたすら撒いて白山通りの街路樹下の緑を増やしている、赤い実が沢山できたら通人が気持ちよいだろう、と言いました。おじいさんたちは思いのほか感動してくれました。嬉しかった。また週末のある日、何本くらい生えているのかと思って端から端まで数えながら歩いていたら、小さな女の子を連れた家族が、「あ、ここにもあった!」「あ、ここにもあった!」と私が撒いて生えてきた赤い実がなる小木を探しながら楽しく歩いていました。これも嬉しくて私も俄然ハッスルして赤い実を収穫しました。少しは話題になってくれればよいのですが。
去年、オリジナルのど根性の木の根もとがシロアリにやられて枯れました。オリジナルの親が居なくなりましたが、その子孫は白山通りにたくさんあります。
これを通じてわかったのは、街路樹の下の部分はその前に住んでいる人の文化度というか社会性をそのまま反映するのだと言うことでした。古いマンションには自転車置き場が無く、そんな建物の前の路上には自転車が何十台も並んでいて、前輪が植え込みに入っているために、ツツジがバンバン折れて、結局枯れてしまい、行く末は土のグラウンドのようにタイヤや足で踏み固められた土の地面になっているのです。ゴミを捨ててある所もあります。そう思うと、パンジーやらアロエやら、植木で買ってきた植物を綺麗に植えてある植え込みもあります。花屋さんの前の植え込みは綺麗で、私が赤い種を撒く必要もありません。そうかと思うと白山通りを挟んだ向こう側のローソンの前の植え込みはとんでもない状態です。ご商売には熱心ですが、植え込みには幟を沢山立てていて、その部分は土がむき出してゴミもあって、土は自転車置き場と化した植え込みと同様踏み固められた土となり雑草も生えません。よく見ると、道路側のガードレールには車を止めるなとか張り紙をバンバンしていて感じが非常に悪い(トイレを使う人が迷惑するという理由だそうです)。道路にベンチも置いて自分の店のお客さんに座れてと言うことでしょうが、その背後の植え込みが非常に可愛そうな状態。生き物である植物に何も配慮がない。その横はゴミ捨て場になっていて、なんとあのあたりに住んでいる人は植え込みにゴミを捨てます(もちろんそこからゴミ収集業者の人がゴミを持っていくようです)。青と黄色の瓶と缶の回収ケースも植え込み内で植物をいじめています。ゴミ収集日はとんでもない状態です。ちなみに踏み固められていない植え込みの下草にははこべやなにやら沢山新しい緑が芽吹いていますが、それこそ踏み固められた土の上には雑草1つ生えません。もし、これを見た人は植え込みにゴミを捨てたり自転車を置いたり自分の商売のために植物や土をいじめないで、是非綺麗にして欲しいと思います。ローソン前の横断歩道のあたりには、センターの中央分離帯の所に綺麗なオレンジのケシの様な花が沢山咲いています。白山のローソンの主人には何かを感じて欲しいものです。
また、近くにベーグル屋さんがありますが、その前も折角綺麗な店の前なのに植え込みに二輪車や自動販売機の缶の回収ケースが置いてあって、街路樹の緑が濃く上は良い状態なのに木の下や土は非常に可愛そうな状態です。少しは配慮して欲しいものです。
公共感というかそんな感覚を、赤い実の種まきを通じて少しずつ、且つ押しつけにならないように気が付いて貰えるように広げていきたいところです。
母が入院した昨年夏は日本医大の前で、仕事で外出中大塚駅の近く、Queens伊勢丹の前、いろんなところで雑草とかしている赤い実の小木を見つけ、実を沢山収穫して白山通りに撒きました。去年の秋は今までで最大の収穫があったので今年はどの位増えるか楽しみです。範囲もなんとQueens伊勢丹の前まで広げました(こちらサイドだけですが)。
本日、ランチタイムに六義園の近く(小閣楼=うまかもん列伝参照)に行きましたが、桜が満開のようで、雨も上がって快晴の気持ちよいひとときですが、、大勢の人が桜を観に訪れていました。並んで桜を観るほど私には時間の余裕がありませんが私も一緒に桜を観た気分になりました。四月二日生まれの私は、桜の季節がいつも誕生日だったり、生家の裏の清和公園が文京区の桜の名所だったのでいつも当たり前に桜吹雪を観ていたので桜には特に親しみを感じます。
カサライロの入り口の植え込みは今赤いデージーが満開になりつつあります。太陽に向かって一生懸命花を開いているように見えます。
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