私はサッカーだけでなく、子供の頃から野球観戦も好きだったのですが、残念といえば最近のプロ野球の流れは残念です。一部を除く若い人は全く関心がないし、中高年世代も昔のような熱はありません。そんな中でWBCという野球版ワールドカップが開催されるというのにいっこうに盛り上がりません。かつて、サッカー人気が伸張しているころ、野球にはワールドカップのような真剣な国際試合がないから盛り上がらないとまことしやかに語られていましたが、実際にふたを開けてみたら…。
私個人が一番残念でならないのは松井の不参加。ファンとしては一番失望した点でしょう。松井選手本人がどのくらいそれを感じているかわかりませんが、日本代表に置ける松井の存在は大変大きく、今回の不参加はサッカーの中田、中村、小野の3人全員ドイツへ行かない位のインパクトだと思います。大リーグという国内リーグが優先された(松井選手ほどになっても来シーズン不安なんだと思います)形ですが、そもそもそういう選択の余地があること自体が野球というスポーツが各国リーグという単位のみで組織化されていることの問題で、リーグ運営が各球団の経営者が実質行っているからです。サッカーはまずサッカー協会があって、協会が運営しているリーグがあって、そこに各クラブが加盟しているという形ですから、紙に書くと一緒でも実質的には少しニュアンスが変わってきます。
それにしても野球は、ショービジネスとして仕組みが出来てしまっていて(アメリカや日本では国内リーグで計り知れない大きなお金が動きます)、何かをやるとなると縄張り争いというか自分の会社、自分の組織、そして選手やチームオーナーの自己利益が複雑に絡んでしまい、結局の所のファンの存在が少し後ろにいってしまっているように思えてなりません。その点、サッカーはFIFA(そのリーダーシップは凄いものです)から大陸、国家、国家内地域とクラブ(そして横割りの世代別)とイベントもチームも強化も一連の流れに世界中が乗っていて組織としては世界規模で動かし安い形であるのであれだけ世界中一体化したワールドカップを永年安定して開催し、世界中のファンを虜に出来ることの偉大さに気が付きます。
スタインブレナーさんというヤンキースのオーナーは元々WBCに反対で選手にプレッシャーをかけたとも聞くし、中日などの一部球団は選手派遣に後ろ向きと聞きます。日本にはプロアマ問題というどろどろした問題も抱えます。やはり大リーグも日本のプロ野球も興業として一年間のスケジュールが国レベルで固まっていて、国内リーグの勝利や商売が優先されてしまい、そこに選手会という組合が出てきて、どうのこうのと言うことですから。また世界大会といっても野球をやっている国自体が少なく、かつ力の差がはじめからある試合もかなり多いこともサッカーのワールドカップほどWBCが盛り上がらない原因かもしれません。
サッカーでは基本的に代表監督が代表選手の指名権を持ち、基本的にはクラブ側は選手の輩出を拒めない(その前にみんな我が誇りある代表に入りたい!)仕組みで、代表を多く輩出するクラブはクラブの中心選手無しで一部のリーグの試合を戦わねばならなかったりします(但し、野球の場合試合数が多く、国内リーグの収益が大変大きいためサッカーと必ずしも同じようには語れません)。サッカーは一部代表監督との確執で揉めたりとか怪我絡みでの選手の将来的な部分で代表招集を見送った方が良い(最近では久保とか小野とか)場合、代表候補には呼ばれるからクラブがせっかく出したのに試合で使って貰えないから拒否だ!なんてクラブの監督が怒ったり・・等という場合に招集で揉めたりしますね。だから、松井に断られ、教え子井口に裏切られ、いつくかの球団に足を引っ張られ…王監督が可愛そう。
サッカー並みとは行かないまでも、コミッショナーにキチンとした権限を与えて現状の、ともすればお飾り的な存在から、トップリーダーとしての権限やリーダーシップを与えてやっていかないとこういう事もまとまりませんね。野球型の世界対応の組織と流れを早く作って、大リーガーとセパ両リーグの真の代表チームを派遣できるようになって、アメリカやドミニカと真剣勝負出来るようになってみたいと多くの野球ファンが思っていることでしょう。
…ちがうかなあ。
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