ソウルといえば多くの日本人、、実は私もそうでしたが、、焼肉をイメージします。なので焼肉から。
日本の焼肉は、実は韓国スタイルの焼肉とは違うものになってしまっていますが、もともとは朝鮮半島をルーツとする在日の皆さんが日本に合わせて考案し、現在のような完成形と充実があります。
私が好きな、、それでいて初めてソウルを訪れる人でも無難な焼肉店でおいしい店はどこかと聞かれます。よく聞かれる声としてせっかく行くので大衆的な店と高級な店‥という声の高級店のほうに絞って回答すると、私の独断に満ちた回答は三つの店。‥みんなソウルの友人たちに連れて行ってもらって初めて行った店ばかりですが‥。それはチャムスッコル、ビョクチェカルビ、バンブーハウスといったところでしょうか。前二つは炭焼き、後ろ一つはガスですが、いずれも国内産の焼肉用の牛、、韓牛(ハヌと読みます)を使っています。値段はそこそこします。日本人には珍しくてうれしい気持ちにさせられるのは、席に着くとキムチやら生野菜やらナムルやら水キムチ(とんちみ)やらいろいろ出てきて、それが勘定についていないことです。もちろん、お肉一人前が、量もあるもののそれなりの金額なのでそれに含まれていると考えるべきなのですが。ちなみにカンナム大路のキョーボビルという有名なビルの一階に東方見聞録(トンボンキョンモンノ)という好きな店がありましたが閉めてしまったようで残念。もちろん、町の一般的な焼肉店はたくさんあって、恐らくこれを読まずとももし知り合いの韓国人がいたら必ず連れて行ってくれると思います。後述もしますが、気をつけなければいけないのは、ツアーで行く際にセットになっている食事で行くような焼肉店はいわゆる観光客用のぼったくりで、値段は高級焼肉店以上で味はお粗末。日本語ががんがん出ている店は避けましょう。また、席について日本語がメインのような店も避けたほうがよいです。最近ではそうでない店もどんどん日本語のメニューを出しているので一つの基準が崩れつつありますが。まあ、現地の人と行くのが間違いないです。私もまだ右も左もわからない頃、ソウルの友人たちと屋台(ポジャンマチャ)で飲んで、ホテルに送ってもらう途中、冷麺を食べようという話になり、ちょっとした路地裏の飲食店(実は焼肉屋だったが私はそのときハングルがまったく読めなくてわからなかった)に入り、冷麺(なぜかビールも)注文すると、近くに座った若くてきれいな女の子たちがカルビ(ソウルでは骨付きかルビ)を食べ始めていて、それを見ていたら強烈においしそうだ!という感覚が私たち全員に走り、目を見合わせて思わずカルビを注文してしまったことがありました。甘めのたれに漬け込んだカルビはおいしかったのと、日本の骨付きかルビは大きく見せようとしているのか広げて出てきますが、こっちのカルビは骨を中心に丸めて出てくるのが非常に印象的でした。また、ワールドカップで水原にサッカーを見に行った際に食べたカルビも抜群でした。水原(スオン)カルビという、フルーツの汁に漬け込むやり方のカルビ(パパイヤがたんぱく質の消化によいことは有名ですがそんな原理で肉が非常に柔らかく美味)、韓国内でもおいしいと評判のカルビは印象的でした。店の名前も何も忘れましたが、水原市に行く機会があれば絶対カルビです。ソウルから20キロくらい。
さて、高級店のお勧めは、、、
チャムスッコルは、炭が赤く燃える写真が看板にあるのが目印。ユッケを食べて、センカルビ(生カルビという意味で、いわゆる焼肉のたれに漬け込んでいないフレッシュな肉ですが、塩だけあるいは塩とにんにく、あるいは葉っぱにいろんなものと包んで食べる)もしくはヤンニョンカルビ(焼肉のたれに漬け込んだカルビで、日本の多くの焼肉屋さんがたれをかけて出してくるのとは異なり一晩くらいたれに漬け込んで持ってきますから肉も柔らかくなっています)を食べてください。
ビョクチェかルビは、骨付きかルビの肉に表と裏で別方向に斜めに包丁が入れてあるのが特徴で、カルビ一人前50000ウオンくらいする高級韓牛を使っています。
バンブーハウスのみ、日本スタイルを逆輸入したような高級店で、韓国で焼肉イコールカルビ(骨付きを指す)ですが、日本の焼肉のようにいわゆるカルビやはらみやこちらではなぜかみんな食べない牛タンなどが切り身で出てきます。小泉さんも食事したようで写真がありました。ここではかつて新しい味との出会いがありました。あまりほかの店では会えないもの。焼肉自体は日本における太昌園やジョジョ園のようなイメージですが、ここのカンジャンケジャンというわたりがにのしょうゆ漬けの味噌の部分をご飯に載せて食べるカンジャンケジャントッパブ(カンジャンケジャン乗せご飯)とかんこくかぼちゃチジミ(ホバクジョン)。ホバクジョンは、金平ゴボウのようにカットしたズッキーニのような韓国かぼちゃを軽く衣で包んで焼いただけのシンプルなものですが、私たちが普通に出会うチジミと違って衣がうすくさくさくして、日本の高級店の書き上げの衣が少ない版のようでした。全体の雰囲気も含めて日韓の料理のフュージョン的なメニュー開発のような気がしてなりません。連れて行ってくれた某氏曰く、お金持ちほど衣は薄い‥とのことでした。お勘定は日本の高級店と同じかもう少し高い印象です。
また、韓国では豚肉も人気で、油を落とす仕組みになっている鉄板で焼くのでヘルシーで、(おそらく豚に含まれるビタミンB群と一緒に食べるネギやにんにくのアリシンの組み合わせ効果だと思います)女性にも人気です。ちなみに日本でも人気があるチェジュ島の豚が一番おいしいと良く聞きます。日本における鹿児島の黒豚、、、みたいなイメージでしょう。豚の焼肉は、日本でしょうが焼きなどで食べる部位などを(骨付きもある)テジかるび(文字通り豚のかるび)や、ばら肉の油を落としながら焼くサンギョプサル(訳すると三段腹)が人気のようで、私はコエックスの近くにあるゼンゼンという店が好きです。そこはスライスしていないばら肉を白ワインで熟成させて、それをそのまま鉄板に乗せると店の若い人が出てきて表面を焼いて、その肉をカットしながら焼き上げてくれます。そのまま岩塩で食べても良いし、私が好きなケンニップ(エゴマ)の葉っぱにしらがねぎの辛味和え、生にんにくスライス、青唐辛子スライスと共に包んで、サムジンという味噌に食べるとおいしいです。びっくりしたのは、その他の薬味。芥子しょうゆは良かったのですが、甘みのない黄な粉。不思議な感じでした。機会があればお試しを。サンギョプサルはソウルJCのサッカー部のメンバーともよく食べますが、そんな時に行くのがキムチサンギョプサルの店。傾けた鉄板にばら肉を縦方向に大きくスライスして、一緒にキムチとにんにくも鉄板に載せて、肉が半ば焼けたらはさみで一口大にカットして葉っぱで包んで食べます。
行かないほうが良いのは、いかにも初心者向けに書いてあるガイドブックにあるミョンドンあたりの大きめな焼肉屋さん。看板にも日本語連発で、お店のおばちゃんも日本語がなぜか異常に堪能で、やたらと親切であったりたいした店じゃないのにメニューの焼肉が一人前3万4万することが目安ですが、だとしたら勇気を持って強い気持ちで席を立つことです。せっかくの二泊三日のソウル滞在の一番大きな楽しみの夕食の50%をそんな店で捨てちゃいけません!保証はできませんが、私の経験ではメニューを見たり、ビールくらい飲んでも席を立って大丈夫(ビール代は払う)です。入ってみたけど気に入らない場合、韓国人がそうしています。
それならば、当たりはずれがあってもどこか、あまり入り込みすぎない道を一本大通りから入ったところにある、なるべく込んでいる店に入ってみてください。日本語がまったく通じない可能性もあります。しかしいまどき指差し会話帳なんて本もありますから、それを持っていけば事足りるし、相手も一生懸命日本人にうまいものを食べさせるためにがんばってコミュニケートしてくれます。商売ですから。たいていは(保証はしませんが)お店のおばちゃんが荒っぽくも親切に教えてくれるはずです。肉だけ頼めば後はビールや焼酎を頼むだけで大丈夫。網も切るんじゃないかと思うくらい乱暴に肉を切ってくれますが心配無用、起こっているんじゃなくて、そんな性格、、、だと思ってください。締めは水冷麺(ムルネンミョン)かミソチゲ(テンジャンチゲ、、ご飯つきです)。冷麺にはビビン冷麺というコチュジャンなどで合えた麺もありますが、日本の焼肉屋さんのそれよりかなり辛めのケースが多いようです。我が弟ジェグン君はその辛い和え汁も全部スプーン(スッカラ)で食べちゃいます。
長くなったので、お酒の注文その他は別の機会にまた。
何かあったら直接聞いてください。もしリクエストあれば、ヨン様は手配できませんが、ソウルのジョン様という私の弟分はじめ友人たちをご紹介しておいしいお店をご案内します。もちろん、チゲや韓国刺身などいろいろありますから!
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