2003年お正月休みも今日まで。明日からはいよいよ業務開始です。
昨年は色々なことがありました。10周年を控え、新しいオフィスに移転し、ロゴも一新してこれから真の第二創業として頑張っていこうと思います。
社会情勢を憂い、様々な経営者が様々な思いで語る「改革」と言う言葉。一見、共感を集めそうでいて、実は内容無く目的無く、ただ漠然と何かを変えなくてはと言う焦燥感その他がもたらして思わず口にしている人が実に多いと思いませんか?内容や目的のない改革は意味がない・・・・とは言いませんが、何もしない・何も考えないよりは一歩進もうとする気持ちがあるだけまだましとはいえ、所詮そこまで。景気が悪いとか社会情勢がどうとか、改革を云々とか、私には傷を舐め合おうとしている後ろ向きな気持ちを感じてどうもしっくりきません。自らどうありたいか、会社としてどうあるべきなのか、企業としての目的は何なのか、自らのそして自らの会社のアイデンティティーを明確にすることこそがまず第一であろうかと思うのです。
ともすると改革することに総論賛成各論反対が多い日本社会。前例主義。本当に変えようとすると、前例がないとか、以前はどうだったとか言い始める人たち。
目的が明確でない数値絶対主義。アメリカナイズされた経営用語崇拝主義。私自身はどれもそのまま賛成できません。そこには確立された思想に基づく目的がなくてはならず、数値はあくまでも目標であって目的に到達するための指標であり中途の評価基準。無思想に無目的に数値を絶対基準にすると必ず「数値を目標値に到達するというテクニックに長けた、能力はあるが思想のない輩」が目標数値を作るために悪いことをします。実業より優先された財テク、クライアント利益を省みない押し込み営業、架空売上げに売れない在庫、脱税、先食い売上げ・・・。みんな
ナレッジマネジメント、キャッシュフロー経営等々、読んだ本やセミナーで俄覚えで氾濫するカタカナ言葉。日本企業の10%に満たない数百億円売り上げる企業と同じ事を、物まねを中小企業が行うことにどこまで意味があるのか、私自身は疑問を持っています。それはともかくとしても、自らの企業の目的も明確になっていないのに、一見かっこよさそうな、何か期待できそうなメソッドに飛びつく人たち。ファッションみたいに。これもおかしい。あくまでも様々なメソッドは経営技法であって、手段・方法でありますから、目的無くして手段や方法に何が出来るのか。例え数値が良くなっても、大局的に本質を改善したことにはなりません。もちろん数値が本当に良くなれば顧客・株主・社内関係者、そして経営者にとってメリットはあります。しかし改善であって改革ではない。今の時代に必要なのは目的を明確にした改革なのですから。それには経営思想がなくてはならず、1つの方法論としての小手先のメソッドによる改善ではなく目的を実現するための戦略が必要で(必要ないのではなくあくまでも1つの手段と言うことに気が付かねばならないと言うこと)、過去の成功にしがみつかない真の改革が必要であります。
アメリカナイズされた経営メソッドと言えば、私たちもCI(コーポレートアイデンティティー)、BI(ブランドアイデンティティー)、VI(ビジュアルアイデンティティー)CB(コーポレートブランディング)、アイデンティティー構築、コーポレートフィロソフィー、企業理念構築等々、横文字を連発させ様々なメソッドをクライアントに提供・サービスしている張本人です。しかしあくまでも企業であるクライアントが掲げる目的の実現に対し、戦略的にメソッドを用いながら、コミュニケーションという切り口にて貢献していくことが私たちの業務です。あくまでも私たちの仕事はクライアントの目的の実現へのサポート貢献であり、コンサルテーションを行ったり、企画を作ったり、調査をしたり、企業理念を作ったり、シンボルマークのデザイン開発を行ったり、HPや会社案内を制作したり、と言うことは私たちの仕事の手段であって私たちの仕事の目的ではないのです。ですから、そこいらのデザイン会社や制作会社と違い、トップインタビューやヒアリングをしつこく行なうのはそのためです。もちろんスピードが大きなファクターである時代でありますし、仕事(及びその目的)の大小はありますから、何もフルコースで行なう必要はありません。軽く片づける必要がある仕事も多くあります。しかし基本的な部分基本的なクライアントととのお付き合いにおいては、クライアント(もしくはその商品)のアイデンティティーや目的を仮設でも良いから把握設定することが、私たちのまず最初の仕事となります。伝えたい相手に伝えたい情報を的確にコミュニケートする際の、クライテリア(照準を定める)設定は絶対必要で非常に大切なことであるからです。ただデザインすれば良い・・・みたいな企画制作会社ってありますよね。
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